Entries

テレビで楽しく学ぶ! ~スキルアップのためのビジネス思考法

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<公開セミナー > 2015.10.12(月/祝)13:30-15:30
@六本木ヒルズ(アカデミーヒルズ)
「テレビで楽しく学ぶ! ~スキルアップのためのビジネス思考法~」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いつも何気なく見ているテレビ番組。でもよく見ると戦略、
マーケティングなど仕事に応用できるヒントがいっぱいです。

平均数千万円もの制作費をかけて作られている良質なビジネス番組を、
あなたのスキルアップに役立てる方法を学びませんか?

本セミナーでは、「テレビッ子」である講師が
ビジネス番組を深読みし、
役立つヒントや、行動のきっかけを得るための思考法やスキルを
ご紹介します。

学びの秋に、楽しみながら仕事力アップの方法を一緒に学びましょう。
前知識は不要ですので、ぜひお気軽にご参加ください。

<当日の講座内容>
1. オープニング (5分)
2. アイスブレーキング (10分)
3. レクチャー (55分)
4. ワークショップ (40分)
5. 振り返り (10分)

→お申し込み/詳細は
http://www.academyhills.com/artelli/detail/tqe2it00000rim0r.html

関係性を大事にするアジア/いきなり本題に入る欧米

8月27日にシンガポールマネジメント大学(SMU)のDr. Michael Benolielによるグローバル交渉の講義が行われました。

深い知見に基づく話で、通訳しながらいろいろと勉強になったのですが、もっとも面白かったのでは、

「契約(Contract)」と「関係性(Relationship)」

についての話。

欧米は「法の支配」(The Rule of Law)による国家統治の歴史が長く、司法制度への信頼が厚いため、「Contract」への信頼感が強い傾向がある。

つまり、一旦「契約」をしたらそれを履行する義務についての社会意識が強い。

一方、アジアは「法の支配」の歴史が短く、司法制度に対しても賄賂等々で信頼がそれほどある訳ではないので、「契約」よりもむしろ相手との関係を深くすることで、契約の履行を担保しようとする傾向があるという話でした。

「なるほどなー」

と思いました。

しかし欧米で「関係性」が大事じゃないかと言えば、そんなことはなく、むしろ最近は感情的な結びつきがフォーカスされて来ているんじゃないかと思えるほどです。

ベノリール先生はイスラエル出身なのですが、同じイスラエル出身の、ゴールドラット博士(制約理論/TOCの生みの親)が面白いことを言っていたのを思い出しました。

「月曜日が楽しみな会社にしよう!」(2分)
 https://www.youtube.com/watch?v=uP9Q8Z7F6tM

それは調和(ハーモニー)の重要性です。

自分の文化だとデフォルト設定になっていて気づかないものが違う文化に触れる事で意識される事って面白いですね。

安保法制に見るロジカルシンキングの重要性

先週は安保関連法案の投票を深夜まで見て、その後ツイッターやらFBで反対意見や賛成意見をみているのですが、やっぱり個別の法案(下記)をそれぞれちゃんと分けないと、論点が分からないなと思います。

1【国際平和支援法(新法)】
2【自衛隊法】
3【国際平和協力法】
4【重要影響事態法】
5【船舶検査活動法】
6【事態対処法】
7【米軍等行動関連措置法】
8【特定公共施設利用法】
9【海上輸送規制法】
10【捕虜取扱い法】
11【国家安全保障会議設置法】

参照:「安全保障関連法 改正と新法の概要」(NHK)

たとえば国連のPKO活動の「駆け付け警護」を可能にする「国際平和協力法」には賛成だけど、アメリカの戦争を全面的に後方(?)支援する【国際平和支援法(新法)】はもう少し慎重に考えた方がいいという意見もあるはず。

つまり

賛成派が全法案に賛成、反対派が全法案に反対ではない

ように見えます。

だけどその辺が一緒くたにされてお互いに相手にレッテルを貼り合い、後方支援に反対したら(←国際平和支援法)、「お前はISISに邦人が捉えられたら見殺しにしていいのか」(←自衛隊法)みたいな話になり、どうも論点が噛み合ってない。法案的には別なんですが。

もちろん、それぞれが関連し合っているのが分かるけど、「2法案だけは別に評決しましょう」というふうに分割できなかったのか。

驚いてしまうのは、MECEやロジックツリーなどのロジカルシンキングを教えているであろう有名なビジネススクールの先生や識者のみなさんが、

「ちゃんと切り分けて議論しましょう」

的な論点をほとんど出していない点。(もしくはそういう論点を出している人がメディアに出てこない)

こういう感情が絡みやすいイッシューこそ丁寧な議論をしないと、本質は分からないと思う。

今回、気鋭の女性ジャーナリストやホリエモンを含む経営者の皆さんなどが法案に賛成していましたが、中国の脅威を心配している間に、アメリカから

「集団的自衛権OKになったんだから、シリア空爆の後方支援してよ」

という”要請”(命令)が来たら、政府はどういう判断をするのでしょうか。

そして法案に賛成していた識者のコメントがどうなるかも気になります。(そうなってからでは遅いのですが、圧倒的多数で自民党が与党なのだから、国民の意思なんですよね。。)

タンスの「不良在庫」? 消費者のボトルネックを解消する

「earth music & ecology」ブランドなどを展開するクロスカンパニー(本社:岡山市)が面白いビジネスを展開する。

メチャカリ」というサービスで、自社ブランドの服を月額5800円で最大3点まで自由に借りられるサービスだ。また60日以上借り続けると自分のものになり、また別のものが借りられる状態になる。(返却された商品は検品してアウトレットで販売)

なぜこういうサービスを始めるかと言えば、若年層の月額アパレル購入金額が、過去7年で約4割も減少している状況に一石投じるという狙いらしい。

ネットのレンタルビデオ屋(ex.TSUTAYAディスカス)のサービスなどで以前からあったような定額レンタル(サブスクリプション)の仕組みだけど、アパレルでどういう結果になるのかは興味深い。

これをボトルネックの観点から考えてみたい。



①製造プロセスがボトルネックの場合

市場のデマンド(需要)が強くて、サプライ(供給)が追いつかない場合、製造業にできる最も有効な策は、ボトルネックを解消する事だ。

p1.png

なぜならプロセスの中でボトルネック(能力が一番低いところ)になっているところが、すべての生産能力を決めてしまうからだ。このボトルネックが解消すれば、生産能力が一気に増え、コストが下がり、さらにリードタイム(商品を製造してお店に並ぶまでの時間)を短縮できるので「売り逃し」を低減できる。

さらに「機動性(柔軟性)」がアップするので、消費者の趣向に併せて自在に生産を調整できる。つまり売れ行きが悪くなったなーと思ったら、在庫が溜まる前にすぐに製造を中止できるし、売れてるなーと思ったら製造を増やせる。


②販売がボトルネックの場合

p2.png

せっかくいい製品を製造したのにお店で売れなかったらしょうがない。販売を含むマーケティングがボトルネックになっている場合は、それを解消する必要がある。最近だとIoTを使ってお店の導線を改善したり、エスノグラフィー的な手法で販売法を改善したりする手など、精度を上げるための様々な方法がある。

またマーケティングを頑張るにしても消費者の購買行動を完璧に予想できないので、先ほどの製造プロセスの機動性を上げる事で、市場に柔軟に対応していける体制を作ることも有効だ。



③消費者の「クローゼット」がボトルネックの場合

p3.png


服や靴は無限に多くは要らないし、そんなに多いと置く場所に困る。だったら捨てればいいかもしれないが、まだまだ着られる新しめの服を捨てるのは、なかなか心理的抵抗がある作業だ。また商品の品質がいいので、破れたり色あせたりしたから捨てるという理由も、昔よりは少ないはずだ。

さらに気に入らない服でも、それなりにお金を出して買った事を考えると早々簡単には捨てられない。

以上のような事が重なり、クローゼットには着ないけど捨てられない服(=不良在庫)が溜まり、新規の服を置くスペースが少なくなり、結果的に服が売れなくなるのである。

まさに新しい服を買う際の「ボトルネック」になっている訳だ。

図解すると下記の方が近い。消耗品だったらこうはならないが、アパレルや耐久消費材はどうしてもこうなる。

循環1


とすれば、そもそも服を「買って」もらわずに「借りて」もらうのは良い方法かもしれない。不良在庫を解消して、新規購入へのサイクル/フロー(流れ)を改善できるからだ。

もちろん「借りる」ということが前提になることで「買って」もらうことによる売上が減少するリスクはある。

それについて、クロスカンパニーはこうコメントしている。

「実際テストでサービスを提供したところ、もともと購入頻度の高いユーザーについては月額の平均購入額が上がり、購入頻度が一般的なユーザーについては購入額に変化はなかったということで、「服の好きなユーザーは、服を借りることで、一層購入する」という行動が見えているのだという。」

 (他業界に奪われたシェアを取り戻す——クロスカンパニーがアパレルのレンタルサービス「メチャカリ」を提供する理由

借りる事で、買う動機が増加するというのは面白い!(たしかに「お試し効果」は期待できそう)

さらに考えれば、消費者のクローゼットはいっぱいにならないので打ち止めがないし、メーカーに取っては売上予想が立てやすくなる。顧客のブランドロイヤリティも上がるだろう。

おそらく最も重要なのは個人個人の趣向がトラッキングできること。過去にレンタルした商品データをベースに、別商品や周辺グッズをレコメンドするプッシュ型提案もできる。また年齢が上がってくれば、自社の別ブランドを提案できるチャンスも拡がる。

リスクはあるが、メリットはかなり大きそうだ。だが、どんな商品にも適用できるかは検討の余地がある。

消費者の不良在庫を吐き出させるという意味では、下記はよくある手だ。

「下取りサービスをする」
「モデルチェンジする(古く感じさせる)」
「サポート期限を設ける」
「故障する/壊れる」
 (修理代を新品を買うより高く設定。昔ソニータイマーという都市伝説もあった。)

ウチの冷蔵庫やソファーを買う時に決め手になったのは「下取り」があるかないだった。廃棄したり、まだ使えそうなもを捨てるのは抵抗感があるので、リユースされると思えば少し気が楽なのだ。

(iPhoneなどの携帯電話端末下取りをすれば、海外で高値で売れたりするからメーカーとしては一石二鳥)

レンタル(サブスクリプション)や下取りモデルは、今度工夫次第でいろいろできそうだ。
では、どんなビジネスに応用可能なのだろうか。

まず自動車は有望分野だろう。たとえば、中古車販売大手のカリバーが、定額料金で好きな自動車に毎月乗り換える新サービスを2016年春に開始予定だ。

その他はどうだろうか?

定額料金で好みの車に毎月乗り換える…ガリバーが来春サービス開始へ

・宝石は?
 (腐らないので定額レンタルモデルはいけるかも。ただし単価が高いので買取保証の方がベター?)
・ユニクロのようなブランドや高級ブランドでうまくいく?
・電化製品のレンタルは?
 (ダイソンをレンタルするなど)
・マンション/住宅は?(試し住みしてもらっては?)

と興味は尽きない。タクシーの「Uber」,民泊の「AirB&B」のような所有しないで共有するシェアリングエコノミー型ビジネスとの接点も気になる。

何かブレークスルーのヒントがありそうな気がする。

余談になるけど「断捨離」やこんまりさんのベストセラー「かたずけ本」は、消費者が自ら積極的に滞留のボトルネックを解消するための動きとも言えるし、消費者に「捨てていいんだよ」というエクスキューズ(言い訳)を与えてくれる本だとも言える。

人生がときめく片づけの魔法
近藤麻理恵
サンマーク出版
売り上げランキング: 71

理想と現実のギャップを解決するフレームワーク

セミナーで「コンフリクト(対立)」の解決法(そのためのフレームワーク)についてしゃべることがある。

いわゆる「対立」は<自分>と<他人>の間でだけ発生するように思われがちだが、実は自分の中で発生している事も多い。いわゆる「(自己)葛藤」と呼ばれるもので、これに悩んでいる人も多い。例えばこんな感じ。

・転職すべきか/しないべきか
・引っ越しすべきか/しないべきか
・子どもを厳しくしつけするべきか/自由にさせるべきか


こういった問題を解決しようとする時も、基本的には「コンフリクト」解決と同じフレームワークがそのまま使える。

例えば、「ついつい子どもに怒鳴ってしまう」ことで自己嫌悪に陥っている親のケースを考えてみる。

この葛藤を解決するための基本フレームワークは下記となる。

*このフレームワークはTOC(制約理論)の中の「思考プロセス」の3大フレームー枠のうちの一つ「クラウド」をベースにしている。



クラウド1

1)まず「D」「D’」には何に葛藤しているのかを入れる。(DとD'は裏返りの関係だから同じ記号を使用する。裏返しの関係とは「引っ越しする」「引っ越ししない(同じ場所に住む)」というように、「○する」「○しない」という関係になっていることを言う)。今回の場合は「理想」と「現実」のギャップになる。

*あほらしい作業のようだが、自分が何に葛藤しているかすら分からなくほど悩んでいる場合には、これだけでも役立つ。

2)次に「A」に、葛藤の「共通の目的」を入れる。同じ目標を達成したいにも関わらず、手段(DとD')のどっちも良さそうだから悩んでしまうのだ。



クラウド2
3)「B」「C」にはそれぞれの欲求(本音)を入れる。つまり、その手段(D.D')によって、本当は何を達成したいと望んでいるかだ。この場合、

「B. ちゃんとした大人になって欲しい」
「C. よい親でいたい」

という事になる。


多くのビジネス交渉のように、相手の「本音(要望)」が見えないために手段に拘泥し、合意が難しくなっている場合には、「共通ゴール」
「本音」「手段」が分かっただけでも解決に向かう場合が結構ある。

しかし自己葛藤の場合には、さらに踏み込む必要がある。

上記の図で言えば、

BならばD(「ちゃんとした大人になって欲しい」ならば「カッと怒鳴ってしまう」)というロジックを成り立たせてしまっている「理由」を明らかにする必要があるからだ。

この「理由」(下記図の「なぜならば・・・」にあたるのが「信念(Belief)」「世界観(World View)」「価値観(Values)」と呼ばれるものだ。

そして、それを形成しているのは、過去の経験や宗教観、親の影響などだ。とりあえず、ここでは「理由」を「思い込み」と呼ぼう。)
クラウド5
改めて、なぜ(「ちゃんとした大人になって欲しい」ならば「カッと怒鳴ってしまう」)のだろうか?

理由として考えられるのは、

・子どもはだまって親の言うことを聞くべきだ
・怒鳴ると人は従うものだ(特に子どもはそうだ)

といった無意識の「思い込み」だ。無意識は無意識であるだけに、通常ははっきり意識していない。場合によっては、劣等コンプレックスのように自分でそれを見ないように抑圧している場合もある。しかし自己葛藤があるなら、その無意識の「思い込み」にあえて眼を向ける必要がある。そして問うのである。

「それって正しいのだろうか?」と。

例えば「子どもはだまって親の言うことを聞くべきだ」という「思い込み」について、改めて客観的に考えれば、自分はそれを正しくないと思っているかも知れない。しかしそれはそういう思い込みを「見える化」したことで初めて冷静に見えてくる視点だ。

そしてその「思い込み」のルーツは、自分の育ってきた環境(たとえば自分の親の教育方針や学校の教育方針がそうだった)だったりする。

だから自分の中で「デフォルト設定」(=あまりに当たり前)になっているので、通常は見えないのである。

では、「思い込み」が見えたらどうするか?方法としては「弱める」「書き換える(修正する)」といった手が考えられる。(具体的方法についてはこちらのコラムが参考になる:「よく怒る人は、なぜ、あんなに怒るのか?」)

●理想が高すぎるケースも

「現実」側を修正する事も必要だが、場合によっては「理想」側を修正した方が良いケースもある。上記のケースで言えば

「理想の親像」が高すぎ、現実の自分がかけ離れているために自己嫌悪に陥っている事もあるからだ。

例えば

(「C.良い親でいる」ためには「D' 怒鳴らない」)

というのは一見正しそうに見える。ただ、本当に全然怒鳴らない聖人みたいな親ってどれぐらいいるのだろう、と考えると、やはりそこには「思い込み」があるのが見えてくる。

「子育てあるべき論」みたいな情報を入れすぎると、自分もそうじゃなければならないという完璧主義に陥ってしまい、そこに「思い込み」が発生するのだ。

しかし、現実には怒った方が良い場合もあるし、人間なんだから感情が抑えられない場合もあって仕方ない。むしろその方が人間っぽくていいじゃないかとも思える。(もちろん程度によりますが。)

ということで、「見える化」することで、極端な完璧主義は排除できるし、自分の「思い込み」が過去のどんなものに囚われていたかを客観的に認識する事で、それを克服する事もできる。

いずれにしろ重要なのは、一旦書き出して頭をもやもやを整理する事なのである。

現場の初歩的かつ基本的マネジメントコントロール

最近気になるニュースが立て続けに報道された。

知的障害者虐待の施設に改善勧告 下関市、通所者虐待を認定(2015/7/9)

川崎の老人ホーム転落事件 男性職員による窃盗や虐待も判明(2015/09/14)

「しゃぶしゃぶ温野菜」はブラックバイト「てんこ盛り」なのか 長時間労働、賃金未払い、自腹購入(2015/9/11 )

いづれも現場が密室状態になっており、オペレーションサイドのスタッフが暴走してしまった事案に見える。

こういう問題を解決しようとする場合、(心情的には難しいところもあるが)「性善説」を前提として考える必要がある。いずれも被害にあった「当人」の方々からすれば許されざる行為であるのが間違いない。そういう人に罰が下れば、スカッとするかもしれない。

しかし第三者的に、

「絶対に同じことが起こらないようにするにはどうしたらいいか」

とマネジメント視点で考えた場合、おそらく「個人」を罰しても解決しないと思われるからだ。つまり「組織」なり「マネジメントシステム」をどう変えるべきなのかが中長期的にはイッシューになる。

例えば、山口の事件で言えば、暴力を振るっている職員を見ていた他の職員は複数いた。では、なぜそれを看過して「良し」としてしまったのだろうか。

民間の養護施設で働くスタッフの人は、おそらく大部分は「良い人」のはずだ。なのになぜ「悪い行為」が看過されてしまうのか?理由として考えられるのは・・・


・基準がはっきりせず、彼の行為が絶対に規則違反かどうかを自信を持って判断できない
 (そのため、部下や同僚が下手に上に言いつけると、後でしっぺ返しを食らう可能性がある)

・通報できるシステムがない/不正を監視するシステムがない

・どういう場合にどう行動すべきかというルールが決まっていない/その教育が行われていない

・現場ノウハウをシェアする仕組みがない



といったことが問題だったように見える。

仮に職場には24時間中監視カメラがあるのだということが、全員に周知されていれば、暴力を制御する一定の抑止効果はあったはずだし、明確な基準があれば、周囲が自信を持って注意できたのではないだろうか。

定期的にルールを周知したり、現場での経験をシェアする機会を設けていれば、スタッフが「怒り」を感じたとき、どう周りがそれを解消しているかも分かるし、それをシェアできるだけでもストレス解消になる側面もあるはずだ。

逆に長時間労働かつ労働量が過剰に多く(←ちょっと前ののバス運転手のような状態)、日々の不満のはけ口もなく、スキル不足で仕事がうまくいかず、誰も助けてくれないといった状態が重なれば、精神的に参ってしまう事だってあるかもしれない。

被害を受けた方も、被害を与えてしまった人も、実際、得な事は何もない。

組織がうまくまわる「システム」をいかに構築するか。この点がキーだと言える

医者が自分の診断を仮説検証できる仕組み

医者の診断にしたがって薬を処方してもらい、2−3日その薬を飲んで治らない場合、患者は同じ医者に行く事もあるが、その医者の診断能力を疑い、セカンドオピニオンを聞くのもかねて他の医者にいくことがある。

その場合、最初のお医者さんは自分の診断が正しかった(その結果、患者が完治した)のか、他に行ったのかは分からない。

つまり医者は診断による「仮説」を検証できない

もちろん、ヤブ医者である場合、中長期的に患者が減るので自然に分かるが、やる気のある若手の開業医なんかには、自分で仮説検証の学習サイクルがうまくまわす方法がない。これは実にもったいない。

特に高齢化で医師不足が予想されている日本ではなおさらだ。

そこで例えば、患者に対してフォローメールを送り

「①治りました」(何日ぐらいで)
「②他の病院で違う診断をされた(その結果完治)」

などを聞くシステムってできないのだろうか。そうすればどんな医者でも学習サイクルを効率的に回す事ができる。

もちろん患者は気を使って②を選びにくい可能性があるけど、第3者機関が入って匿名処理をするなど、システムの組み方でなんとでもカバーできる。

さらに、それをクラウドでシェアできるようになれば、医師同士が学べるコミュニティができるし、人工知能やロボットを介した人に優しい遠隔医療/診断も可能になる。



医療×TECHの分野で「Medley(メドレー)」という面白い企業が出てきている。この会社のサービスを使って、患者と医者の医療情報に対する非対称性が少なくなれば、患者は医者にかかるまえに、正しい仮説を立てやすくなる

http://thebridge.jp/2015/02/medley

もちろん非対称性が解消すれば、誤った見立て(診断)をすると患者につっこまれる可能性も増える訳で、それなりに緊張感も増すに違いない。また、上記で考えたような患者と医者の間でPDCAサイクルを回すのも可能になるし、そもそも診察時間の効率化にもつながる。

ぜひこういう会社がどんどん出てきて医療イノベーションを起こして欲しい。



ネット上にある医療情報について信憑性が分からなくてユーザーが困っている情報を解消したい、というニーズの捉え方は、各分野のエキスパートがガイドしてくれる生活総合情報サイト「All About」の創業コンセプトと共通点がありそうです。

建設機器は巨大なリアル3Dプリンター(自動運転について)

建機メーカーのコマツが「KOMTRAX」というインターネットで自社の建機の作動状況を遠隔モニターする仕組みを作っているのは有名ですが、その目的について

・建機が盗まれないか監視
・作業員の仕事ぶりをモニター
・故障や稼働状況のモニター

ぐらいかなと思っていました。

ところがそんなレベルのものではない事が分かったのは新鮮な驚きでした。

「製造業の激震に立ち向かう:日本の名経営者とGE会長のイメルトが語る、これからの指針」
http://gereports.jp/post/124649266664/inventing-the-next-industrial-era


「いまのブルドーザーは3Dプリンター。自動で土地を造成し、道路を作る」


これが目指すべき姿なんですね。ドローンで事前に工事現場の3Dマップを作り、工作機器を「自動運転マシン」として整地したり、建設したりする。つまり

「スマートコンストラクション」

が目指すべき姿なのです。GoogleやAppleを含め、今続々と自動運転自動車=スマートカーへ/Connected Carの動きが加速していますが、もっと用途が限定された「スマートコンストラクション」の方が、実用化には近いのかも。

すでにオーストラリアの鉱山やアメリカの大規模農場などで、無人のトラックが黙々と動いている映像を見たりしますし、よく考えてみればお台場の「ゆりかもめ」の運転手は乗っていません。飛行機も平常時はオートパイロットですね。

一般道はまだまだいろいろな「変数」(飛び出してくる人や車など)が多いので、完全自動運転にはもう少し時間がかかりますが、そういう変数が少ない(制御できる)世界の乗り物の操作は急速に自動化の方向に動きます。

そこに先回りをしてどういうビジネスモデルを作るのか。コマツを含め興味が尽きません。



関連ニュース

「Google Earth Pro」が年額399ドルから無料に
Googleが、これまで商用利用者向けに年額399ドルで提供してきた3Dマップサービス「Google Earth Pro」を無料化した。「Google Earth」にはない高度な機能を無料で利用できる。

はじめての社内起業

遅ればせながら石川さんの著書「はじめての社内起業」を拝読。リクルートの超有名な新規事業提案制度「NewRing」の事務局に長年勤務され、ベンチャー→新規事業インキュベーターとして最前線で指導されているノウハウが満載です。

以前に石川さんにお話を聞いていた事業立案の「国語」「算数」「理科」「社会」の考え方、発想を拡げるための4象限マトリックスなど、ここだけで十分元は取れそうな内容です。

社内で複数の新規事業を何度か立ち上げた事がありますが、一部の方々を強硬突破して実行したために、めんどくさいことになった事が何度もありました。(会社は嫉妬の世界ですので。)

そのような社内起業ならではの「大人の事情」についてもカバーし、うまく「企て」を進めるためのノウハウが書かれていて「早く読んでいれば」と思った次第・・・

はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
石川明
U-CAN (2015-07-24)
売り上げランキング: 2,783

安保法制の前に考えるべきリアリティ

NGO時代に直接指導を受けた方々の中で、最も尊敬でき、かつすごいと思った方が伊勢崎賢治さん。

武装解除などの危険な現場をいくつも踏まれているので、言葉の重みや説得力がぜんぜん違います。安保法制を巡る意見の中で、私の中では最も納得感の高い説明&提言です。

安保法制について考える前に、絶対に知っておきたい8つのこと - 伊勢崎賢治『戦場からの集団的自衛権入門』から

日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門 (朝日新書)
伊勢崎 賢治
朝日新聞出版 (2014-10-10)
売り上げランキング: 4,134

Appendix

若林計志

flowone

株式会社フローワン代表取締役。日本最大級の海外オンラインMBAを立ち上げ、事務局長を約11年間務めた後、独立。ビジネスパーソンのマネジメント力アップ、学習システム/アプリの開発等に取り組んでいる。 TOCfE国際認定コース修了。コロンビア大学大学院ICCCR 交渉術講師認定コース修了(by Dr.B.Fish) info@flow-one.com

MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み

組織や人が目標に向かって自然に行動する「仕組み」を構築する方法論=「マネジメントコントロール」を分かりやすく解説します。

プロフェッショナルを演じる仕事術

(「BOOK」データベースより)大前研一監修の海外MBAプログラムの責任者として、スキルアップを目指す多くのビジネスマンと関わってきた著者。そこから見出した成功法則を、余すことなく披露する。発刊以来2万部突破!

リーディングス組織経営 改定版

リーダーシップ、イノベーション、プラットフォームなど、多岐にわたる経営学のテーマが、分かりやすくまとめられている岡山大学版教科書。第9章「企業成長に伴う内部対立のメカニズム:避けがたい「壁」を乗り越えるための処方箋」を寄稿させていただいています。

Twitter

検索フォーム

くる天 人気ブログランキング