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体罰問題とマネジメントコントロール

先日の「朝まで生テレビ」のテーマが「体罰問題」だったので、久々に視聴。体罰をしてしまう背景や、解決法がディカッションされていましたが、現状のような状況になってしまう構造的な理由が、いろいろとディスカッションされていて大変有意義でした。

基本的に体罰したくてしている先生はおらず、むしろそうせざるを得ないような状況に置かれている事が一番の問題だと言えます。したがって、教師個人を責めたところで本質的な解決法にならないと改めて感じました。

気になったポイントです。

▼先生にとにかく忙しすぎる(時間がない):
先生が雑務に忙しすぎて、一人ひとりの子どもにじっくりと向き合う時間がない。そのため状況によっては強制力を伴う早急な解決を取らざるをえず、体罰的な解決法(極端な行動コントロール)を選んでしまうことがある。(生徒が人にケガをさせたりするような危険な行為などをした場合は特に。)

→「環境コントロール」に改善の余地あり。番組内では、主要科目以外(例えば音楽、図工、体育、部活)などは、地元の人と連携して、先生の負荷を減らした方が良いのではないかという提案が行われていた。つまり、先生がボトルネック(制約条件)になっており、その本来の能力を発揮できていない。したがって、たとえば公募で部活顧問や音楽指導したりする補助教員などを入れる事で教師の負荷を減らし、先生が本来行うべき活動のためにもっと時間を使えるような方策をとる。おそらく最も本質的な解決法。

またルーチン的な業務を自動化できるようなEラーニング/支援システムを導入も有効。

▼先生の評価基準が「進学率」オンリーになっている
特に地方の進学校では、先生の評価基準が実質的に名門校に何人進学させたという指標になっているため、落ちこぼれたり、先生の意向から外れている生徒に対しては、強制的な手段をとるか、スルーして優秀な生徒に時間をかけざるを得ない。(校長などの評価/評判も進学率に付随)

→「結果+環境コントロール」に改善の余地あり。単一的な評価基準になっていれば、その評価が先生の行動に影響を与えるのは明白なので「進学率」以外の評価基準を設置する事が必要。たとえばファシリテーションやコーチングのような指導スキル、専門資格、学会発表、同僚による相互評価など、複数の指標いれてはどうだろうか?

▼先生に適正な権限を与える
先生が体罰できない(←これは「行動コントロール」)というのを逆手に取って、挑発してくるような不心得な生徒も一部にはいる。そのような生徒達に適正に対応する手段(留年をさせたり、停学にするなど)を先生に与えないと、抑えが利かなくなる可能性がある。

また校長などの管理職は、現場の教師を適正に支援する体制を作る事が大切。(←そのためには校長の評価基準を改善する必要あり)

もちろん、体罰をしなければならないような状況を発生させないために、教室での道徳/心の教育(環境コントロール)も必要ですが、それと並行して組織の構造的なアプローチも行うことが極めて重要だと感じました。
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若林計志

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株式会社フローワン代表取締役。日本最大級の海外オンラインMBAを立ち上げ、事務局長を約11年間務めた後、独立。ビジネスパーソンのマネジメント力アップ、学習システム/アプリの開発等に取り組んでいる。 TOCfE国際認定コース修了。コロンビア大学大学院ICCCR 交渉術講師認定コース修了(by Dr.B.Fish) info@flow-one.com

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