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現場の初歩的かつ基本的マネジメントコントロール

最近気になるニュースが立て続けに報道された。

知的障害者虐待の施設に改善勧告 下関市、通所者虐待を認定(2015/7/9)

川崎の老人ホーム転落事件 男性職員による窃盗や虐待も判明(2015/09/14)

「しゃぶしゃぶ温野菜」はブラックバイト「てんこ盛り」なのか 長時間労働、賃金未払い、自腹購入(2015/9/11 )

いづれも現場が密室状態になっており、オペレーションサイドのスタッフが暴走してしまった事案に見える。

こういう問題を解決しようとする場合、(心情的には難しいところもあるが)「性善説」を前提として考える必要がある。いずれも被害にあった「当人」の方々からすれば許されざる行為であるのが間違いない。そういう人に罰が下れば、スカッとするかもしれない。

しかし第三者的に、

「絶対に同じことが起こらないようにするにはどうしたらいいか」

とマネジメント視点で考えた場合、おそらく「個人」を罰しても解決しないと思われるからだ。つまり「組織」なり「マネジメントシステム」をどう変えるべきなのかが中長期的にはイッシューになる。

例えば、山口の事件で言えば、暴力を振るっている職員を見ていた他の職員は複数いた。では、なぜそれを看過して「良し」としてしまったのだろうか。

民間の養護施設で働くスタッフの人は、おそらく大部分は「良い人」のはずだ。なのになぜ「悪い行為」が看過されてしまうのか?理由として考えられるのは・・・


・基準がはっきりせず、彼の行為が絶対に規則違反かどうかを自信を持って判断できない
 (そのため、部下や同僚が下手に上に言いつけると、後でしっぺ返しを食らう可能性がある)

・通報できるシステムがない/不正を監視するシステムがない

・どういう場合にどう行動すべきかというルールが決まっていない/その教育が行われていない

・現場ノウハウをシェアする仕組みがない



といったことが問題だったように見える。

仮に職場には24時間中監視カメラがあるのだということが、全員に周知されていれば、暴力を制御する一定の抑止効果はあったはずだし、明確な基準があれば、周囲が自信を持って注意できたのではないだろうか。

定期的にルールを周知したり、現場での経験をシェアする機会を設けていれば、スタッフが「怒り」を感じたとき、どう周りがそれを解消しているかも分かるし、それをシェアできるだけでもストレス解消になる側面もあるはずだ。

逆に長時間労働かつ労働量が過剰に多く(←ちょっと前ののバス運転手のような状態)、日々の不満のはけ口もなく、スキル不足で仕事がうまくいかず、誰も助けてくれないといった状態が重なれば、精神的に参ってしまう事だってあるかもしれない。

被害を受けた方も、被害を与えてしまった人も、実際、得な事は何もない。

組織がうまくまわる「システム」をいかに構築するか。この点がキーだと言える
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若林計志

flowone

株式会社フローワン代表取締役。日本最大級の海外オンラインMBAを立ち上げ、事務局長を約11年間務めた後、独立。ビジネスパーソンのマネジメント力アップ、学習システム/アプリの開発等に取り組んでいる。 TOCfE国際認定コース修了。コロンビア大学大学院ICCCR 交渉術講師認定コース修了(by Dr.B.Fish) info@flow-one.com

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